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2018.10.14

ムダのいろいろ

ムダのいろいろ

いくつかユーチューブで動画を観ていて目に留まったのは
15代目にフルモデルチェンジした「トヨタ・クラウン」を
初代モデルからずっと作り続けている「元町工場」の映像

クラウンの製造現場が超ハイレベルな製造技術を駆使し
一台一台をどれほどの注意を払って大事に作っているか。
工夫とこだわりが凝縮したショートビデオです。

設備や規定が徹底して整備されているのはもちろんのこと、
やはりその現場で働く人たちの誇り、製造者魂にはグッと来ます。

新型車が登場すると、通常は開発者にスポットが当たるのですが
製造現場の取り組みを紹介するのは珍しい。
車への期待が高まるうまいプロモーションですね。

 

機械化できるところは徹底して機械化し、
それでも人間の手で、人間の目でしか実現しない作業工程に最大限の力を注ぐ。
製造業の世界的トップランナーであるトヨタの強さは
短い映像を見るだけでも凄みを感じるものがありました。

 

こういうのを見てしまってから、自分たちの仕事に目を移すと
突き詰め方のレベルが全然違うなと思わされます。

日本の生産性の高さは第二次産業、製造現場が中心で、
第三次産業、サービス産業の生産性は極めて低いと言われています。
開発効率の悪さを憂いたソフトウェア業界では
トヨタ生産方式を源流に持ち、製造業を中心に展開されている
「リーン生産方式」を応用した「リーンソフトウェア開発」が
注目されているらしい。

 

ちょうど勉強を始めたところですが
リーン開発の7つの原則、一番目に「ムダをなくす」が登場します。

残りの6項目に比べると、聞けば誰でもわかる内容ですが
実際は、ムダをムダとして認識できていない人がほとんどだといいます。
当たり前のようにやっている行動の中にもムダは潜んでいる。
良かれと思ってやることが大きなムダだったり。

 

「トヨタの段取り」によるとムダにもいろいろあります。そして気づいてないことが多いです。
社内全員が一丸となって、日々小さなムダを一つ一つ取り除いていかねば。
上司や前工程、次工程の人も一緒になって考える必要があります。

 

①待つことのムダ(手持ちのムダ)
作業者が次の作業に進もうとしても進めず、一時的に何もすることがない状態。
返事待ち、校正待ちなんかもよくあります。その間に進める別件があれば問題ありませんが
スケジュールがかぶってくる弊害もあります。

②加工のムダ
工程の進み具合や品質には、何ら貢献しない不必要な加工のこと。
装飾に凝りすぎたプレゼン資料などがそれですね。
他人よりも余計に時間がかかる人や仕事の質が劣る人は、
仕事のやり方そのものにムダが生じている可能性が高いとのこと。
「標準」となる仕事のやり方を社員が共有していれば、
時間をロスすることなく一定レベルの仕事をこなすことが可能かもしれません。

③在庫のムダ
仕事は溜め込むことなく、すぐに後工程に渡すことが大切であり、
その方がスケジュール管理もうまくいくようです。
必要以上に撮りすぎた撮影画像もそれに当たるかもしれません。
個人から全体に目を向けて、何が必要かを考えることが重要です。

④動作のムダ
付加価値を生まない動きのこと。
道具を取るのにいちいちしゃがむ、いちいち取りに行く、いちいち探すなど。
動作のムダは日常生活のあらゆる面に潜んでいます。そしてなかなか気づかない。
デスク周りの整理整頓、データファイルの整理整頓など日々の心がけが重要です。
整備工場などでは工具の置き場所を厳格に決めている光景をよく見かけますね。
生産現場では、「動作経済」という言葉まであるそうです。

⑤運搬のムダ
「一筆書き」で仕事をすること。
何度も往復する、何度も確認するなどは大きなムダ。
移動時間自体も付加価値を生まないので、効率を考え最短ルートを選びます。

⑥作りすぎのムダ
売れないものを作るのはムダ。必要な時期より早く作るのもムダ。
あったらいいなと思う仕事も、実際にはなくて良い仕事だったりします。
多くのムダは、上司が何気なく出す要求にあることも多い(自戒)。
時間の経過とともに、適切な仕事の頻度、ボリューム、対象などは変化していくものです。
これまでの仕事を惰性で続けていれば、仕事は増えていく一方です。
一度、その仕事をやめることにトライしてみるのが良いそうです。

⑦廃棄、手直しのムダ
やり直し・修正が必要な仕事。同じミスを繰り返すこと。
それを防ぐために「自工程完結」を徹底すること。後工程はお客様とこころえよ、と。

 

 

上記のムダには意識しないと気づけないものばかりです。
やらなくていい動作、しなくて良い作業。
それらを分単位、秒単位で取り除いていくことを求めていきたいです。

この記事を書いた人

代表井上浩一郎

1964年福岡生まれ。鹿児島市在住。伊佐市出身。国土交通省航空保安大学校卒業。航空局管制技術官を辞め、営業職を経験しながら起業の道を模索。顧客向け会報誌を担当したことがきっかけでメディア作りにハマり、その後情報誌出版で創業。犬2頭とのランニングが日課。趣味として国際政治や戦略論を勉強中。

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