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2018.08.29

“顧客”の関心

“顧客”の関心

写真といえばスマホ、だったカミさんが
カメラが欲しいと言い出して機種選びを手伝いました。

これまでは私のどのカメラを貸しても
まともに使っている印象はなかったので
別の何かを必要としていると私は考えました。

 

一方、自分のカメラに対するニーズは
写真を撮る過程を大事にすることでした。

カメラの握り心地、ファインダーの見易さ、ボタンやダイヤルの配置と感触、
剛性感、形、シャッター音、出てくる画像の色合いや解像感などなど・・。
併せてそのカメラの設計思想に共鳴し、
楽しむようなところまで。

書いてるだけでめんどくさいユーザだなと思わなくもありませんが
とにかく写真を撮るプロセスを楽しむようなニーズです。

 

それに比べれば
今回のカメラ選びはもっと合理的に思えました。
極端に言うと欲しいのはカメラじゃないのです。

私は自分のカメラに対する基準は
今回に限っては完全に無視し
一つのモデルケースのような視点で探しました。
カメラに何を求めるか。

 

外出好きのカミさんがカメラに求めることは
目の前の情景を即座に、しかも美しく切り取れる
スマホ並みの使いやすさ。

それは「情景の共有」だと想像しました。
もっと言うと「感動の共有」でしょうか。

そのようなユーザー層を完璧に把握し
まさにそれ!と言う製品を準備しているメーカーがありましたので
機種選びは難しくなく、あっさり終了。
選んだのはオリンパスのPENという機種でした。

で、、その現物が来たので自分も触ってみたところビックリ。。

軽くて小さくてオシャレで。
なのにまあサクサクとよく撮れること。
画像も綺麗。ディスプレイ上でわかる綺麗さ。
フォーカスもピピッとスピーディ。
女性向けの最新機種は私にとって全く別カテゴリーの製品でした。
こんなに簡単に写っちゃっていいの??
というくらいに。

価格は私のカメラの方が高いのに
全く別の快適性がそのカメラにはありました。
機種選びは成功でした。そして気づきもありました。

 

「ドリルを売るなら穴を売れ」。

その時にふと思い出したフレーズ。

 

これ、昔会社で購入して社員に配布した本のタイトルでもあるのですが
ドリルを買いに来る客はそもそもドリルが欲しいんじゃなくて
穴をあけたい、なるべくきれいに、簡単にあけたい。
その気持ちをよくよく汲んで客を迎えなさいと。

 

要は、物を売るなら価値を売れ、という教えです。
名の知れたメーカーならとっくの昔から取り組んでいることでしょう。
逆に没落したメーカーは・・(略)

「カメラを売るなら感動を売れ!」
「カメラを売るなら感動の共有を売れ!」

 

この「◯◯を売れ」が多種多様になっているから
どこの企業も大変なのですが
「◯◯」が特定できれば、今回のカメラのように
迷いのない製品作りもできるということでしょうね。

 

自社で売る商品やサービスが決まっていても
この「◯◯」が変わることで客層をシフトすることもあり得るわけです。

 

敬愛するドラッカー先生はずっーと昔に説いていました。

「顧客は自ら求めるもの、必要とするもの、
 期待するものにしか関心をよせない。
 顧客の関心はつねに、
 この製品あるいはこの企業は
 自分に何をしてくれるかである。」(断絶の時代/P・F・ドラッカー)

 

今回は、“顧客”の横に立って考えてみました。

この記事を書いた人

代表井上浩一郎

1964年福岡生まれ。鹿児島市在住。伊佐市出身。国土交通省航空保安大学校卒業。航空局管制技術官を辞め、営業職を経験しながら起業の道を模索。顧客向け会報誌を担当したことがきっかけでメディア作りにハマり、その後情報誌出版で創業。犬2頭とのランニングが日課。趣味として国際政治や戦略論を勉強中。

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