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2018.11.09

説明のトレーニング

説明のトレーニング

私自身が文章を書くことによってわかるのは、
自分がいかに「わかってないか」です。

自分の知識がいかに乏しく断片的であるか、
表面的で借り物であるか、
いかに考えが整理されてないか、
そんなことがわかります。

 

身の丈に合わない内容を書こうとすればするほど
いくつものピースを紛失したパズルのようで全体がまとまらず
1000ピースのパズルは諦めて、
100ピースのパズルの完成をまずは目指すところから
始めなければならないということがわかります。

 

10の結論には100、1000、10000の情報にあたり
そこから自分の考えを導き出す。
理想はそんなところです。

 

経験上、何かを考えてから文にまとめようとしても
まずまとめられません。

日頃の心の動き、思考の流れ、
これを文で追っかける習慣が大人には必要と思います。

言語化というのは本当に自分を鍛える行為だと思います。

 

以前紹介したことのある梅棹忠夫氏の著書「知的生産の技術」の
第1章「発見の手帳」の項は、この件について大いに参考になりました。

これは面白いと思った現象、あるいは自分の着想を
短い単語やフレーズで書いておくのではなく
ちゃんとした文章で書き残しておくのがキモ。
そのままで小さな論文となりうるようものとして
いろんな現象や気づきを捉えて書いていく。

ここで大事なことは
「そのままで小さな論文となりうる」ということです。
論文というと大げさですが、
そのままブログやSNSで公開できる、と捉えればわかりやすい。

全く文脈をつかんでない人でもある程度意味がわかる話をする。
これはまんま、情報発信の訓練です。
会社に一人、こんな人がいれば広報戦略にも勢いが出てきますね。
誰もいなければ社長がやるしかありません。

 

私が毎月参加している勉強会には
中央省庁から鹿児島に出向しておられる方もいて
その方達の説明の上手さ、話の展開とまとめかたの的確さに
いつもいたく感心しているのですが、
そういう方達がなぜそうなのかを想像しています。

おそらく、ですが
常に確たる根拠を示しながら説明をしている。いつもしている。
常に説明を求められるポジションなのです。

 

そのためには千や万の資料を読み、報告を聞き、
結論を下し、またその説明をしている。

その繰り返しが点と点をつなぎ
線が重なり網となり面となり
一つの話を起点に新しい結論を導き出す「回路」が作られていく。
淀みない説明に納得しながら、そんなことを想像します。

 

官公庁ではない私達ですが
説明をしなければならない立場は同じこと。
それは自社にとって、自分にとってのお客様、顧客への説明です。

プロのライターに書いてもらうにせよ
その商品を売り、またはそのサービスをやっているのは
あくまでその事業主であり、
そのビジネスの真髄、その企業の強みをだれかに説明しなくてはなりません。

 

求められない日常の中でも
その説明する力、伝える力を鍛えることの重要性を知り
毎日話す。毎日書く。

このことが最も確実なトレーニングであり
そのトレーニング自体が情報発信の姿でもあると思うのです。

この記事を書いた人

代表井上浩一郎

1964年福岡生まれ。鹿児島市在住。伊佐市出身。国土交通省航空保安大学校卒業。航空局管制技術官を辞め、営業職を経験しながら起業の道を模索。顧客向け会報誌を担当したことがきっかけでメディア作りにハマり、その後情報誌出版で創業。犬2頭とのランニングが日課。趣味として国際政治や戦略論を勉強中。

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