
この本からは読書に関するヒントをもらいました。
自分も遅読家の自覚があるため、タイトルにつられての購入でした。
遅読家は読書に対する真面目さが捨てきれないそうです。
理解し、記憶し、活用しようと考えすぎるからでしょう。
著者は「音楽を聴くように本を読む」ことを勧めています。
『音楽は音が自分の中を通り抜けていくこと自体が心地いい。
しかし、その中でも「残る音」はある。聴いた結果として
自分の中に生まれるものこそが、その音楽の本当の価値』
『何かのための読書なんてつまらない。
それよりもたくさんの本を読む
プロセスそのものを楽しめるようになろう』
自分の体験を振り返ると半分読んだところでその本の新鮮味がなくなり
それ以上読み進められなくなった時に
軽い敗北感のようなものを感じていましたが
全くの筋違い。楽しくなければさっと拾い読み、飛ばし読みをして
さっと終えれば良かったのです。
音楽はスキップしますよね。
本を購入する時には必ずなんらかの期待を持って買っています。
何かを解決するため。何か心の穴を埋めるため。
ただ、そこに行き着くまで、探し出すまでが長いと読書はしんどい。
ページをいくらめくっても、それが出てこないと読み進めるのは難しい。
なので、その本から何を得るかをもっと明確に自覚して読み始めれば
読むべきところ、流し読みで十分なところがわかる。
確かに音楽を聴く時、どんな気分になりたいかで選曲をしています。
選曲のノリ、曲飛ばしのノリで読み進めていけばいい。
(ここでは小説ではなくビジネス書や評論などが対象)
著者は「はじめに」と「目次」をよく読むことを勧めています。
この二つは本のナビの役割を果たしていますので
より主体的に本を読むことができます。
電子書籍であれば目次からクリックしてまた戻ってくるのも容易です。
『一冊を深く読むのではなく、たくさんの本から
「小さなかけら」を集めて、「大きなかたまり」を作っていく』
青春時代に聴いた数々のヒット曲が自分のライフスタイルを決定したように
自分を作るいくつものフレーズに出会う。
そういうノリのいい読書にしたいと思いました。