成長を意識しない会社はないと思いますが
大きくなることが必ずしも良いわけではないことは
経営や管理に携わる方々なら理解されるはず。
会社を構成するものはいろいろありますが
知らず識らずのうちに、いつの間にか大きく多くなっているものが結構あります。
社員数、顧客数、発注先、外注費、固定費、残業時間、ルール、チェックリスト、、、、
必要な規模を維持するために増やさねばならないものもありますが
対処療法的に塗り重ねているようなものも多くあります。
そのどれもが良かれと思ってやっていることが
つい見過ごしてしまう原因になっている気がします。
愛読しているP・F・ドラッカーの著作の中で
「成長には三種類ある」と書かれていて、短い言葉ながら理解を助けられます。
「われわれはいかに働き、どう生きるべきか」から引用します。
成長には種類があります。
十二歳の男の子の身長が伸びるのは、健全な成長です。
高齢の私が体重を増やすのは、害はあっても益のない不健全な成長です。
がん細胞の増殖は、命に関わる悪性の成長です。
(中略)
主要資源の生産性を下げる成長は不健全であり、上げる成長は健全です。
生産性を上げもしなければ下げもしない成長は、脂肪太りと言えます。
しかし人体と同じように、脂肪はやがて害をなします。
腹の出具合は常時監視しなければなりません。あらゆる製品、あらゆる活動、あらゆる事業について、
健全な成長か否かを点検していかなければなりません。
(中略)
成長はマネジメントしなければならない。さもなければ、
あらゆる成長が悪性のものへと転化するでしょう。
必要に駆られて・・・
頑張っているから・・・
売上も上がっているから・・・
再発防止のために・・・
様々な理由で昨日までなかったものが今日上積みされていきます。
新しく増えたものがどのくらいの資源を必要とし、
どれだけの成果につながっているのかを常に点検しなければ
会社の体力を蝕んでいくことになります。
自社の適正な規模と必要とされる成果を知り、
血糖値や血圧の測定と同じく、日々の仕事時間と成果の把握を通じて
自社の健康状態を見極める。健康状態を維持した上で適正な成長は目指す。
人も会社も日々の健康チェックが長生きの秘訣かもしれません。