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2018年09月22日

「生産性」を学ぶ

 

ここ最近の本の読み方を改め、久しぶりに一冊通しで
数時間で読み切った「生産性」(伊賀泰代 著)という本。

潔いタイトルとそれに負けない濃い内容で
主に採用の視点から考える企業の生産性について
豊富な事例を用いて解説しています。

 

「生産性!生産性!」と声高に叫ぶと
ただただ効率の鬼として、人を歯車のようにしか考えていないような
冷たい印象を受けるかもしれませんがそんなことはありません。

生産性とは、一定の成果を生み出すために、どれだけの資源が使われたか。
または、一定の資源を使って、どれほどの成果を生み出したか。
付加価値を示すものであり、働き手が正しく評価される指標です。

量の追求では到底カバーすることができない急激な人口減少時代に備え
「質」を追求し、「実」を取りにいこうとする最も確実な道です。

 

働き方改革において、今後懸念される労働力不足を補うため
女性や高齢者でも働ける労働環境づくりが企業に求められますが
それも投入労働力を増やすことでありそれらを実行する前に、
まずは今やっている仕事の質を検証するべきといいます。

 

組織の生産性向上で最も効果的なのは
定期的に不要な仕事を洗い出す「業務仕分け」。
一年に一度、仕事の閑散期に
「各部門の仕事の洗い出しと不要な仕事の廃止」をするよう勧めています。

 

いまやっている仕事が、本当に残す価値のある仕事なのかどうか。
やり方を抜本的に変えられないか。新たな投資が見合うのか。
それらを確認して「価値はゼロではないが、手間に見合ってない仕事」を
低い方から順に無くしていく。

 

手が足りずに、もしくは急な欠員で
新たに雇用した新人や派遣社員に付加価値の低い仕事を任せてしまうと
その仕事の生産性を上げようとする改善への意識が組織から消えてしまうといいます。

生産性を劇的に変えるには、チームメンバーによる問題を認識する力と、
それを解決したいという強い動機付けが必要です。
生産性を上げることへのこだわりが低い組織では
そのような動機が生まれることはありません。

投入資源と成果の比を検証する体質を作り上げていくことです。

 

残業時間に上限を設けて強力に規制することも
単なる量の規制になりかねず、
ここは自分も順序を間違えないようにしないといけないと思います。
「その仕事に意味はあるのか?」
「この時間で何を生んだのか?」
これを問い続けることが会社も地方も発展するために必要なことです。

 

今後、国も地方も少子高齢化、人口減少によって
様々な課題が顕在化してきます。

 

著者は地方の問題は人口が減少することではなく
あらゆる面での地方の生産性が低すぎることだといいます。
都会からの移住者が少し増えたくらいでは到底解決にはならない規模の人口減少です。
「今、政府が行う支援の多くは生産性を高めるための支援ではなく
 生産性が低くても存続し続けられるようにするための支援」という指摘には
おおっ、と思わず声が出ました。

 

著者の主張は次の言葉で締めくくられています。
「この人口減少を日本人にとって生産性を高める好機と考え、
革新的な技術が実用化されようとしている今、
人口減少のインパクトを上回る生産性の向上を目指さないといけません。」

 

他にも多くの指摘があり、経営者や人事の方以外でも強くお勧めできる本です。

 

 

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