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2018年08月30日

「残心」

 

チームで仕事をしていますから
前工程から仕事が渡され、自分の責任を果たして、
次工程に引き渡します。

 

過去に何度か、
作業ミスが頻発したことがありました。
他人の目では発見しにくいような目立たない部分で
レイアウト中に別のオブジェクトまで選択してしまったり
不用意なマウス操作でずれていたり。

操作中に「あっ、しまった」と気づいてやり直しをすれば
時間ロスはあってもまだ問題ありませんが、
余計なものに触ったことに気づかず
自身で見直すこともしなければ
後工程に、問題発見のための相当な負荷をかけることになります。

業歴の長い短いはあまり関係がなく
ない人は最初からほとんどない。
ある人はよくある。そんな印象でした。

 

それぞれの持分をきっちりやりきることが前提で仕事を組んでいますから
どれだけシンプルな作業であっても
何より完璧な状態で次に渡す必要があります。
一つ一つの動作に気持ちを行き渡らせる必要があります。
スピードアップはその後の話。

皿やコップを洗うような作業であっても
汚れが落ちないまま乾燥させて
それが誰のチェックも受けないままお客さんに出されたらどうでしょう。

一つ一つの単純な作業にも心が乗ってないと
全体の信用はがた落ちです。
それを防ぐのもチームの役割ですが、余計な負荷は減らさねばなりません。
そもそも誰でもできて当たり前、と思えるような作業のミスが一番怖い。
チームとしても要チェックポイントです。

 

経験の浅いうちに
一つの動作に心を込めるやり方を徹底して固めておかないと
複雑な作業を組み合わせてガンガンやる頃に大きな失敗をします。

早くから、ワンアクションにも意を注ぐ癖がつけば
複雑な作業も穏やかな心で淡々と進めていけます。

 

それで思い出したのですが、
剣道には「残心(ざんしん)」という言葉があります。

残心とは、相手に打ち込んだ後も
打突部分、自分の剣の動き、相手の反応から気を離さず、
最後まで相手を見届けて、構え直して、
打ち込みを完成させる心の持ち方を言います。

残心があってはじめて、一本の打ち込みが完結します。
審判は、残心を確認してはじめて、「面あり!」の旗をあげます。

もし残心があれば、たとえ不十分な打突でも反撃を喰いません。

残心がないというのは
打ち込みの決定力にかかわらず、気を抜いている状態です。
中途半端な打ち込みの場合、即座に「反撃」が来るのです。

 

昔、口すっぱく言われたこの「残心」という言葉。
一太刀に全神経を込めよという教えを一言で言い表したすごい言葉です。

竹刀を振り回す子供達に、
指導者がこの言葉を教えることに今更ながら感銘します。

振り返って、今やっている仕事一つ一つに
この「残心」という言葉を当てはめてみると果たしてどうなのと。

レベルの違いこそあれ、
動作一つ一つに心がこもっているかと問われれば
まだまだ心許ない気もしてくるのでした。

 

 

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