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2018年08月05日

表現のつながり

 

朝、犬と走っているときに、小さな古い看板が目に止まりました。
「飛び出し注意!」
子どもの絵が描かれています。

少し違和感を感じたので立ち止まって見てみました。
飛び出し注意と書かれているので意味はすぐわかります。

飛び出す子ども。
子どもの後ろにギザギザの吹き出しのような背景。
子どもは笑顔。

表現のつながりがちょっとヘンだな。。

看板や広告の役割は、見た人に行動を促すことですね。
こうすればこうなる、という未来をイメージさせ行動させることです。

ここで見た看板の目的は、
小学生に次の2点のどちらかをイメージさせることです。
・道路に出る前に立ち止まって左右を確認すること。
・もし飛び出したら大変なことになる!こと。

もし「飛び出し注意!」の看板を作るとしたらベタですが、
次のどちらかのイメージで描くんじゃないかな・・。
・立ち止まって左右をしっかり確認している子ども(=こうしなさいよ)
・飛び出したらクルマが走ってきてて急ブレーキ!
 子どももドライバーもびっくり!(=こうなっちゃうよ)

見かけた看板に違和感を感じたのは
登場人物がもしこのままで行くとどうなるかの、
「こうなっちゃうよ」がなかったことです。
もちろん「こうしなさいよ」もありません。

笑顔で子どもを走らせるなら普通はいいことが予感されます。
しかしここでは警告を発したいわけですから
その行く先には、急ブレーキの車と驚く表情のドライバーが必要でした。
子どもが笑顔ということは、その危険は伝わりません。
でも迫る危険がセットで描かれれば、
その笑顔が油断と認識され、危険を伝えることができます。

背中にギザギザの爆弾マークが描かれていたので
それで危険を表そうとしたのでしょうが、
背中にあるのは時系列で考えれば現在か過去として感じます。
もし危険を表すためにギザギザの背景を描くなら、
せめて子どもを驚いた表情にさせて、
車の頭だけでものぞかせればよかったでしょう。

イラストレーターや漫画家がうまいのは
一枚の絵によって文脈を表せることだと思います。
私たちが何も違和感を感じずに見られるのは
一枚の絵に原因と結果、
過去・現在・未来のつながりを感じさせるからでしょう。

ドヤ顔でダメ出しする意図はありません。

広告は促す行動を伝えるものなので
前後関係をしっかり考えて伝わる表現をしないとなあと
犬を待たせて考えたというわけです。

 

 

 

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